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街の記憶 


東京に住んでいても、仕事でなければ、
「亀戸」などという場所に行かないと思います。

探検してみれば、よいお店も出会いもいっぱいあったなと。

社会人のスタートは、ここから始まりました。

飲みながら、読んでいただければ・・・

20060606204158


■街の記憶


ある期間、あの場所に確かに自分がいたという記憶。

たとえば、
生まれた場所、学校のあった場所、デートの場所、
会社のあったところ・・・

その中でも、仕事場が人生に占める割合も大きくなる。

社会人で最初の場所なら余計に印象深い。

ここには、初めて常連となったバーがあり、
お気に入りの焼き鳥屋ができ、よくサボっていた喫茶店や、
案件や仕事を教えてもらったドーナッツ屋がある。

ちょっと歩くだけで、
どっと過去の記憶がよみがえる場所。

朝から晩まで働き、飲み明かしたこともあるから
その町の24時間を知っていることになる。

そのバーの話は、いつかのブログに書いた。

 タイトル:「バーでのヒトトキ」

「ヒトトキ」とちゃんと読んで欲しくて「一時」を
カタカナにしたのだった。

そのバーを半年ぶりに再訪してみたが、
すでにマスターは代わっており、独立したとの事。

場所を聞くと、すぐそば。

待ち合わせまで時間があるから、
そのバーを訪ねると、まだ閉まっていた。

店のドアを開けようとして、取っ手に手をかけがちゃっと、
閉まっていることを確認して
去ろうとしたそのとき、マスターがドアを開けて顔を出す。

「8時からなんですよ!」

「おお、やまぎさんですか。待ってもらえますか?」

久しぶりで、しかもいきなりの訪問に戸惑っているマスター。

彼の追い返しがたい気遣いも感じたから、僕のほうから

「またきますよ、今日は別件ですから」

といっておいて、その場を辞去した。

 *  *  * 

懐かしい場所の、懐かしい上司の送別会の終了後、
やっと一人になれた。

マスターが作った自分の店がどんな感じなのか、
やっぱり興味が尽きず、行くことにした。

店の前まで来ると、
携帯片手に電話をしている男がそこにいた。

その男の片手には、
買い物に行きますというマスターの言葉と、
携帯番号を記したダンボールの切れ端。

金曜日の夜、ボトルが並ぶバーで
名物料理を切らすようなマスターではない。

メニューで品切れなら、ないって言えるはずだ。
そんな気の置けない常連さんたちで埋まっているはずだった。

ライトの消えたバーの前で、
電話をかける男の人相は、堅気のようには見えない。

先刻も、出てきた顔には、
どことなくおびえた表情がうかび
僕でよかったとほっとしたマスターの様子で、
話がみえてくる。

小さなバーだから、
開店の10分前を杓子定規にするような
店でもなかったはずだ。

何がおきているのか、本人の口から聞くしかないけれど、
恐らくよい話ではないのだろう。

 *  *  *

マスターが作りたがったバーのカタチ、イメージを
僕はよく知っている。

やっと念願かなって、独立だなという感慨も手伝って、
独立の記念にボトルでも入れてあげようと。

心のそこから、ひいきにしたい人だったのに。

残念・・・ゆっくり話したかった。

懐かしい上司が転勤となったと同時に、
この街の記憶がまた一つ消えていく。

降りはじめた雨を憎らしく、夜空を仰ぎ、
この街を去るのに心が痛んだ。

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コメント

Good times & Bad times

人生、いい時もあれば、悪い時もあるよね。
やることなすこと、空回りだったり、もがけばもがくほど、はまってしまったり・・・

私は運命論者ではないけど、
自分でもどうしようもない時って、ある。

マスターに、「追い風」が吹いてきますように。。。

またドアをノックしてあげてください。
そして、昔話と、未来の話を
聞いてあげてください。

モルトとともに。


書き込みありがとうございます。

コメントのタイトル、、、どこかで聞いたような。

店が林立する繁華街で、生き残るのは
大変だろうなと改めて考えさせられました。

マスターは、ボクよりも若いですが、
尊敬する部分があり、しっかりしている人です。

うん、
落ち着いたら、モルトをもって
遊びに行こうと思います。語りに・・・

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