スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ダーウィンの悪夢 

雑誌「SWICH」1月号で、小林武史とフーベルト・ザウパーの対談がありました。だから載せるわけではないですが、最近見た映画のレビューです。このあと、家にゴキブリが出たもんだから、ほんと死ぬかと思いました。

drwin2.jpg 20070122224825.jpg


まあ、長いのでゆっくり読んでくださいまし。



無音から始まるエンドクレジットの暗闇、静まりかえる館内に重い空気がまざって、やるせなさが先進国日本に生きる観客一人ひとりにのしかかった。見せつけられる映像のイメージを頭に描いて心の準備をしていたつもりだったが、想像以上の映像と負のサイクルに完膚なきまでに打ちのめされた。

換金性の高い白身魚のナイルパーチの加工貿易が生んだ悲劇に、目を覆いたくなる。一杯の鍋の食料を奪いあう子供たち、売春しエイズで亡くなる女たち、目をぎらつかさせて戦争を望む男たち、彼らがたどたどしい英語で語るすべてが、どこかで日本とつながっている現実。重すぎる。遠い世界で起きていることに無縁でいられず、グローバリズムが悪だと言っても、日本に生きるぼくの言葉は空々しく響くだけだ。

ただね、渋谷の街の喧騒や屈託のない少年少女たちの姿を見ながら、昔の自分なら一人で絶望し、無神経さを嘲って優越感でネットに文章を書き散らしただろうと思うんだよね。若いころにやっていたエセNGOの活動も、会社では得られない充実感の代替物が欲しかったのだと、いまになって解ってきたんだな。でも、それらの体験を経て多くの仲間に支えられて達成したことや、やっても得られなかったもののおかげで、ぼくの20代は幸せなものだったと自信をもってここにいられる。

世界の人々の幸福のために心から祈るということがとても美しくて大事な行為であるとわかっている。この社会システムや不幸の連鎖に憤ることには、誰もが賛同するとわかっている。

そう表明しないのは、どこかに嘘っぽさがひっかかることに心が同調しなくなったから。心と体は、不思議なものでそう思うようになると、体は動かず心は内省的になっていくんだね。エコやロハスが全盛の時代にこうした気分を表明するには勇気が必要で、30歳を目前にしたいまだからできるようになった、と思う。

いまは、人を変えるために何かしようとは思わない。自分がそうされたらいやだから。

いみじくも小林武史のメッセージこうあった。
「たやすく哀しくなったり、怖くなって同調するのでも、人ごとだと思うのでもなくこの問題が僕らの周りもいっぱい溢れていることを感じること。そこをどう乗り越えるのか。『救いようがない』と、諦める必要なんかない。」と。

映像の深刻さに打ちのめされて、それが人に向かわないように急いで家にかけこむ前に、ぼくができたことは、コンビニでビニール袋を断っただけだったんだよね。そのことが妙にうれしい気分にさせて、明日から生きてやるぞ、と元気が出てきたんだな。おかしかったな。
スポンサーサイト

コメント

読みごたえ、ありました。

>まあ、長いのでゆっくり読んでくださいまし。

と言いながら、自分自身に語りかけているんですよね。

「心は内省的になってく」というのは、よくわかる。

多少の不満はあっても自分の置かれた状況に落ち着いていられるからこそ、
他人のことを思う余裕が生まれる、とも言えませんか?
地獄のような状況の中に身を置いていたら、他の事を気にする余裕なんてない。
生きるか死ぬか、なんてことを実感できない人が、どんなに正論・理想論を掲げて哀れんで悲しんでも、
所詮そこまでです。どんな場合でも。私はそう思う。
他人を気にかけることができる、というのは実はとて幸せなことなんですよね。

だからといって「他人事」「対岸の火事」「仕方ないじゃん、何も出来ないんだし」 で済ませられることではない。
胸の奥の柔らかい部分をちぎられるような痛さを感じずにはいられない。

どうしたらいいのか、どうやっても答えを出せないものを取り込むことは、本当に辛い。

そういうものを取り込む勇気がある、エネルギーがあるやまぎさん。すごいです。
今の私には、辛すぎて敬遠してしまいがちです。



>うさぎさん

お手を煩わせてしまいましたね。
コメントありがとうございます。

世界では、ひどいことや、どうしようもないことがいっぱいある。
日本だって、どうしようもない事件や事故がおきている。

何もできない個人に過ぎないのだけれど、
いま起きていることをちゃんと知っておきたいと思いました。

かわいそうだと思え!とか、何かしなくっちゃ!とか、
そう思うことを強制するのでなく、現実を踏まえるってことが、
大事だと考えます。

映像から受ける衝撃を知っているくせに、
飛び込んでいくのは、ストイックな修験者のようで、
そういう自分がすきなんですよねぇ・・・

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://yamagy.blog18.fc2.com/tb.php/156-4ac05da9

貿易が好き

日本は、かつて「資源の博物館」「鉱物の標本室」等と呼ばれるほど地下資源が豊富であったが、産業構造の転換とコスト面から利用できる資源は乏しくなった。1930年代から始まった石油エネルギーの台頭は高度経済成長の時代により進み、格安の石油をエネルギー源とした加工貿
  • [2007/03/05 08:44]
  • URL |
  • 貿易が好き |
  • TOP ▲
Powered by . / Template by sukechan.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。